こんにちは!
突然ですが、皆さん 「ウナギの血」や「コイ科魚類の胆のう」に毒があるって知ってましたか?
「ウナギの血」に毒素があるため、ウナギを刺身で食べることはできないのだとか。
今回は「ウナギの血」や「コイ科魚類の胆のう」が持つ毒素について簡単にまとめてみたので、 興味があれば見ていってください。
目次
高級食材として有名なウナギを好きな人も多いと思います。
蒲焼き、うな重、ひつまぶし…聞くだけでヨダレがでてきそうですよね。
でも、そんな「ウナギの血」が人体にとって毒だということは、一般にあまり知られていないと思います。
では、ウナギの血の毒性成分とはどういったものなのでしょう。
・ウナギの血に含まれる有毒成分は、タンパク質です。
特別な名称はなく、魚類血清毒や 単に血清毒などと呼ばれます。
なお、ウナギと同じウナギ目に属する魚類(アナゴ、ハモ、ウミヘビ、ウツボなど)の血液も魚類血清毒が含まれており、有毒であるとのこと。
・ウナギの血液を大量に飲んだ場合
下痢、嘔吐、皮膚発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難などの症状が起こり、死亡することもあるといわれています。
・ウナギの血液が目や口、傷口に入ると局所的な炎症が起こる。
目に入ると激しい灼熱感を覚え、結膜炎やまぶたが腫れます。口に入ると、激しい灼熱感とともに粘膜が赤くなります。また、傷口に入ると、炎症や化膿などが起こります。
・普通に生活していれば、ウナギ目魚類の血清毒による食中毒にはなりません。
日本においてウナギの血で食中毒になったという正式な記録は存在しないため、過敏になる必要はありません。
・毒性成分がタンパク質のため、加熱処理をすれば毒性を失います。
ウナギの刺身を見ることがないのは、このためです。
また、スーパーなどで売っているウナギの切り身も焼いてありますよね!
画 像 | |
生息地・生態 | ・世界中の熱帯から温帯にかけて分布する魚類。ニホンウナギを含めて世界で19種類(うち食用となるのは4種類)が確認されている。 ・一般に淡水魚として知られているが、海で産卵・羽化を行って淡水に戻ってくる生活形態をとっている。 |
危 険 部 位 | 血清 |
危 険 成 分(毒 素) | 毒成分はタンパク質。 特別な名称はないが、一般的に血清毒と呼ばれる。 |
中 毒 症 状 | 血液を大量に飲んだ場合、 下痢や嘔吐、発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、感覚異常、麻痺、呼吸困難 |
毒の強さ | 不明 (ウナギの血清から精製された毒成分(LD50:670 μg/kg)をマウスに経口投与した結果から見積もると、体重60 kgのヒトの致死量はおよそ1リットルと考えられる) |
日本全国の川や池、沼、湖など広く生息するコイ科の淡水魚です。コイの生命力は極めて高く、平均寿命は20年以上で稀に70年を越す個体も存在します。
コイは悪食で、水草、貝類、ミミズ、昆虫類、甲殻類、小魚、他の魚の卵、カエル、お麩(おふ)など、口に入るものなら大抵なんでも食べます。
コイは、日本各地で食用にされており、味噌煮やうま煮(切り身を砂糖醤油で甘辛く煮付けたもの)、甘露煮などにして食べられています。
しかし、コイの胆のう(苦玉)は苦く、解体時にこれを潰してしまうと身に苦みが移ってしまいます。また、コイの胆のうには毒性成分が含まれています。
なお、コイだけでなく、コイと同じコイ科魚類(ソウギョ、アオウオ、ハクレン、コクレンなど)の胆のうにも同様に毒性成分が含まれています。
では「コイ科魚類の胆のう」の毒性成分とはどういったものなのでしょう。
・「コイ科魚類の胆のう」の毒性成分は、胆汁酸に含まれる「5αシプリノール硫酸エステル」と「スルフェノール」です。
・中毒症状になると、胃腸障害(嘔吐、下痢、腹痛)、肝機能障害(黄疸など)、急性腎不全(乏尿,浮腫など)、唇や舌の痺れ、手足の麻痺、意識不明などにおちいり、死亡することもあります。
・日本では、コイの胆のうによる中毒事例が多く、フグ中毒に次いで中毒件数や死亡件数が高いとのこと。
中毒量(中毒症状を発症する量)は、
・体重10kg程度のコイ科魚類の場合、胆のう2個(推定)であり、
・体重20kg以上のコイ科魚類の場合、胆のう1個(推定)とのこと。
コイ科魚類の胆のうは、滋養強壮、眼精疲労の回復などの効果があると信じられ、アジア地域で民間薬として古くから服用されていますが、コイ科魚類の胆のうを食べるのは絶対にやめましょう!(中毒量よりも少なければ大丈夫!というわけではありません)
画 像 | |
生息地・生態 | ・比較的流れが緩やかな川や池、沼などに広く生息する淡水魚。 ・食性は悪食で、水草や貝類、ミミズ、昆虫類、甲殻類や小魚など、口に入るものなら何でも食べる。 |
危 険 部 位 | 胆のう(胆汁酸) |
危 険 成 分(毒 素) | 5αシプリノール硫酸エステル、スルフェノール |
中 毒 症 状 | 胃腸障害(嘔吐、下痢、腹痛)や 肝機能障害(黄疸など)、 急性腎不全(乏尿,浮腫など) |
発 症 時 期 | - |
毒の有無 | 胆のう:有 筋肉:不明 |
いかがでしたか?
私たちの身近に存在する動植物のなかで、毒性成分(自然毒・天然毒素)を持つ生き物って意外と多いんですよね。
毒性成分を持つ動植物に関する正しい知識を持てば、身近に潜む危険を回避しやすくなるのではないでしょうか。
このブログが、あなたやあなたの家族の安全な生活を送るための手助けになれば嬉しいです!
それでは!
参考資料:厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
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