こんにちは!
突然ですが、皆さんは「自然毒・天然毒素」というものをご存じですか?
自然界に存在する動植物や細菌などは、人体にとって毒となる成分を持っていることがあります。
それを天然由来の「自然毒・天然毒素」と呼んだりするのですが、私たちの身近な動植物が保有していたり、食品などに含まれていたりします。
その「自然毒・天然毒素」ですが、「銀杏」や「フキノトウ」にも含まれていることがあるということを皆さんはご存じでしたか?
今回は「銀杏」や「フキノトウ」に含まれる自然毒について簡単にまとめてみたので、 興味があれば見ていってください。
目次
銀杏とは、イチョウの種子、または種子の殻を割った中の核のことです。
銀杏は、小さなラグビーボールのような形状で、熱すると鮮やかな緑色になるが、水分を吸うと黄色っぽくなります。焼いたり、茶わん蒸しに入れたりして食べられています。
イチョウは、樹高20~30メートルもある落葉高木であり、世界古来の樹木の一つです。
・銀杏には、ギンコトキシン(4′-O-メチルピリドキシン)と呼ばれる毒性成分が含まれています。
・銀杏に含まれるギンコトキシンは、ビタミンB6と構造が似ているため、多量に摂取するとビタミンB6の働きを阻害してビタミンB6欠乏症となり、中毒になると考えられています。
・大人の場合かなりの数を摂取しなければ問題にはならないが、小児は中毒症状を起こしやすく、銀杏の中毒患者の7~8割は小児です。
小児は、大人に比べてギンコトキシンの消化器官が未発達なためと考えられます。
・個人差はありますが、中毒症状になる目安は 小児で約7個以上、大人で約40個以上です。(食べすぎ注意!!)
・中毒症状になると、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、けいれん、呼吸困難、意識障害などになって、死亡することもあります。
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生息地・生態 | ・銀杏が採れる「イチョウ」の木は、中国原産の落葉樹で、夏から秋にかけて果実が黄色く熟す。 ・この果実には特有の悪臭があり、触れると外果に含まれるビロボールという成分が原因でアレルギー性皮膚炎を起こすことがある。 ・この外果を取り除いたあと、硬い殻の中にある黄色の部分を「銀杏」と呼び、食用としている。 |
危 険 部 位 | 銀杏部分 |
危 険 成 分(毒 素) | ギンコトキシン(4′-O-メチルピリドキシン) |
中 毒 症 状 | 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、けいれん、呼吸困難、意識障害など 死亡例も報告されている。 |
発 症 時 期 | 食後約12時間以内 |
毒の強さ | 弱 |
フキとは、日本各地に見られるキク科フキ属の多年草で、山の斜面や川岸、河川の土手などに多く見られます。
早春、花が伸びて地上に出てくるものを「フキノトウ」と呼ばれ、蕾の状態で食用にされます。
・フキノトウには、ピロリジジンアルカロイド(ペタシテニンなど)という肝臓に対して毒性を持った物質が含まれています。そのため、食用にするには、アク抜きが必要になります。
・また、地下茎や葉柄、葉にもピロリジジンアルカロイドが含まれています。
・アク抜きをせずにフキノトウを大量に摂取すると、肝臓障害や肝臓ガンなどを発症する恐れがあります。必ずアク抜きをしましょう!
・採集時に最も注意する必要があるのは、ハシリドコロという毒草です。
新芽の出る時期が重なるうえにフキノトウに外見が似ているため、誤食されやすいです。
・ハシリドコロには、アルカロイド(ヒヨスチアミン,スポコラミン)という毒性成分が含まれており、食べると嘔吐やけいれん、昏睡などの中毒症状を発症します。
あお、ハシリドコロの毒性成分は、加熱処理では分解されません。
参考サイト→ 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
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生息地・生態 | ・フキとは、日本原産で全国各地に見られるキク科フキ属の多年草のこと。 ・早春、花が伸びて地上に出てくるものを「フキノトウ」と呼ばれる。 |
危 険 部 位 | フキノトウ、葉柄、葉、地下茎 |
危 険 成 分(毒 素) | ピロリジジンアルカロイド(ペタシテニンなど) |
中 毒 症 状 | 肝臓障害、肝臓ガンなど |
発 症 時 期 | - |
毒の有無 | フキノトウ:有 葉柄、葉:有 フキの地下茎:有 |
いかがでしたか?
私たちの身近に存在する生き物のなかで、自然毒・天然毒素を持つ生き物って意外と多いんですよね。
正しい知識を持って身近に潜む危険を回避していきましょう!
自然毒・天然毒素は、これら以外にもあるので、今後も紹介していきたいと思います!
それでは!
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