こんにちは、コアテンです。
今回は、数か月前に読んだ『諦める力 勝てないのは努力が足りないからじゃない』という本について紹介したいと思います。
スポーツの観点から「諦めること」について詳しく掘り下げ、「戦略的な視点で手段を諦めること」「努力の仕方」など、人生の成功や目的を目指すことにも応用可能な考え方が示された良書です。
以下、書籍『諦める力』を読んだ感想 や 総評 などについて紹介いたします。
続けること止めないことは尊いことだが、それ自体が目的になると自分自身の可能性を狭める呪いになってしまうため、前向きに「諦める」ことの重要性を説いた本です。
著者の為末 大(ためすえ だい)氏は、三度(シドニー、アテネ、北京)オリンピックに出場し、2001年と2005年世界選手権において男子400mハードルで銅メダルを勝ち取った元陸上選手で、現在はコメンテーターやタレント、指導者として活動中。
(1) 「諦める」というと、「そこで断念する(終わる)」「逃げる」といった後ろ向きでネガティブなイメージがあるが、
語源は「明らめる」であり、諦という字には「あきらかにする」「つまびらかにする」などの意味があるとのこと。
本書では、その語源から諦めるという行為を「自分の才能や能力、置かれた状況などを明らかにして良く理解し、今この瞬間にある自分自身を悟る」というポジティブな言葉に言い換えるべきだと主張しています。
(2) また著者・為末大氏は、世の中には、努力や情熱だけではどうにもならないことが有り、
自分が持っている能力を冷静に見極め、戦略的に勝ちやすい分野を選んで追求するという姿勢が非常に大切なことだと説いています。
なお、絶対に諦めずに努力し続けることは尊いですが、「諦めなければ夢は叶う」という言葉を信じて、結果が出ないのに無茶な目標に固執し続けることは可能性を狭めることなりかねません。
人生で直面する課題や困難を「やり抜く力(グリット)」と「諦める力」を持てば、より柔軟に生きることができるのではないでしょうか。
そして本書では、諦める(選択し直す)ためには、
「自分自身の限界を知るために、いつも全力で行動することが重要だということ」や「コツコツと続けるだけでなく、成果を上げるための方法を選ぶ(考える)努力も必要だということ」が記載されています。
元アスリートである著者の人生経験から導き出された人生論が記された一冊であり、「諦める」という行為をポジティブに捉えた一冊です。
この本を読むと、日本ではなかなか難しい「諦める」という行為のハードルは確実に下がります。
スポーツ界における慣習と不条理から導き出された「様々な分野にも応用できる考え方」が多く記載された近年稀にみる良本でした。
読めばきっと何かを残してくれると思うので、ぜひご一読ください。
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世の中には自分の努力次第で手の届く範囲がある一方で、どんなに努力しても及ばない(手の届かない範囲)があります。
憧れの人物のようになろうと努力した結果、自分自身の成長を阻害しかねない「憧れの罠」や、「諦めないことの代償」「サンクコストの考え方(ここまでやったんだからという呪縛)」「成功体験談を鵜呑みにすることの危険性」「コーチを雇う理由」など、スポーツだけでなく人生の成功論としても応用できる考え方が多く示されていました。