こんにちは!
突然ですが、皆さん 「青梅」や「ビワの種子」に毒があるってご存知ですか?
最近だと、2017年12月に農林水産省が、ビワの種子を食べないよう注意喚起の文書を公表しました。
では、なぜビワの種子を食べる際に注意が必要なのでしょう。
今回は「青梅」や「ビワの種」が持つ毒素について簡単にまとめてみたので、 興味があれば見ていってください。
目次
梅とは、バラ科サクラ属の落葉高木、またはその果実のことを言います。
梅の実は熟していくにしたがって、青から黄色に変化していきます。つまり、「青梅」とはまだ熟していない青い梅の実を言います。
この青梅(未熟な梅の実や種子)には、人体にとっての毒性成分が多く含まれています。
青梅に含まれる毒性成分とはどういったものなのでしょうか。
・青梅には、青酸配糖体(アミグダリン)という青酸と糖が結合した化合物が含まれています。
青酸配糖体(アミグダリン)自体は無害ですが、酵素(動物の体内に存在するβ-グルコシダーゼ、または果肉に含まれるエムルシン)によって分解されると、猛毒である青酸(シアン化水素)が体内で発生し、中毒症状を起こします。
・中毒症状になると、
頭痛、めまい、発汗、けいれん、呼吸困難、肝障害、意識混濁などの症状が起こります。
青梅(未熟な梅)の果肉には、種を守る防衛機能として青酸配糖体(アミグダリン)が高い濃度で含まれています。
特に種子の方には、青酸配糖体(アミグダリン)が果肉の10倍から20倍含まれることがあります。(種は絶対に食べないように!)
・青梅の致死量は、一般的に成人の場合だと100個~300個、子供の場合だと100個と言われています。(あくまで致死量です。中毒にならないよう青梅を積極的に食べるのは止めましょう!)
・青梅には、青酸配糖体(アミグダリン)が含まれますが、熟するにつれて酵素によって分解され、消失していきます。
同じように、砂糖漬けや塩漬け、アルコール漬けにすると、時間経過とともに青酸配糖体(アミグダリン)が分解されていきます。
・なお、40度以上で加熱すると、青酸配糖体(アミグダリン)が破壊されて無害化されます。そのため、青梅を加熱処理することで、青酸による中毒症状を防ぐことができます。
画 像 | |
生息地・生態 | ・バラ科サクラ属の落葉高木、またはその果実のことをいう。 ・果実は梅干しや、梅酒、梅酢、ジャムなどに加工して食用にされている。 |
危 険 部 位 | 果肉、種子 |
危 険 成 分(毒 素) | 青酸配糖体(アミグダリン) アミグダリン自体は無害であるが、酵素(体内に存在するβ-グルコシダーゼ、または果肉に含まれるエムルシン)によって分解されると猛毒である青酸(シアン化水素)が体内で発生し、中毒を起こす。 |
中 毒 症 状 | 頭痛、めまい、発汗、けいれん、呼吸困難、肝障害、意識混濁など |
発 症 時 期 | - |
毒の強さ | 猛毒 |
ビワは、四国や九州に自生するバラ科の常緑高木であり、樹高は約10メートルまで成長する。
枝葉は春・夏・秋と年に3度伸長する。日本では梅雨の時期に甘い実がなり、果肉が生食されるほか、缶詰やジャム、ゼリーなどにも加工されている。
未熟なビワの実や種子には、高濃度の毒性成分が含まれています。
・未熟なビワの実やビワの種子には、青酸配糖体(アミグダリン、プルナシンなど)という青酸と糖が結合した化合物が含まれています。
・中毒症状になると、
頭痛、めまい、発汗、けいれん、呼吸困難、肝障害、意識混濁などの症状が起こります。
青梅の場合と同様、未熟なビワの実や種子には高濃度の青酸配糖体(アミグダリン)が含まれる場合があり、これが体内で分解されると、猛毒である青酸(シアン化水素)を発生させます。
特に種子の方には、青酸配糖体(アミグダリン)が果肉よりも多く含まれることがあります。
・未熟なビワに含まれる青酸配糖体(アミグダリン)は、熟すにつれて酵素によって分解され、消失していきます。
・しかし、ビワの種子を単純に乾燥・粉末にしたような食品では、アミグダリンがほとんど分解されずに残留している可能性があります。
このような食品を食べると、アミグダリンを大量に摂取する危険性が高まります(ビワの種の粉末は絶対に食べないようにしましょう!)
・近年、高濃度のアミグダリンが含まれたビワの種の粉末が発見されたため、2017年12月に農林水産省によって「ビワの種の粉末は食べないように」との勧告が出されました。
画 像 | |
生息地・生態 | ・バラ科の常緑高木。 ・樹高は約10メートルに成長する。葉は濃い緑色で大きい楕円形をしており、裏には産毛がある。 ・楽器の琵琶に似た一口大の実がなる。 |
危 険 部 位 | 未熟なビワの実(果肉) 種 |
危 険 成 分(毒 素) | 青酸配糖体(アミグダリン、プルナシンなど) |
中 毒 症 状 | 頭痛、めまい、発汗、けいれん、呼吸困難、肝障害、意識混濁など |
発 症 時 期 | - |
毒の強さ | 猛毒 |
・梅やビワ以外にも、
梅やビワと同じバラ科植物(アンズや桃、スモモ、オウトウ(サクランボ)、リンゴなど)の種子や未熟な果実には、青酸配糖体(アミグダリンやプルナシンなど)が多く含まれています。
これらバラ科植物の未熟な果実や種子を食べる場合には、十分に気を付けてください!
いかがでしたか?
私たちの身近に存在する動植物のなかで、毒性成分(自然毒・天然毒素)を持つ生き物って意外と多いんですよね。
毒性成分を持つ動植物に関する正しい知識を持てば、身近に潜む危険を回避しやすくなるのではないでしょうか。
このブログが、あなたやあなたの家族の安全な生活を送るための手助けになれば嬉しいです!
それでは!
参考資料:厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
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