こんにちは!
先日、 「ジャガイモの芽を無毒化する研究」が行われているという記事を見て、「自然毒・天然毒素」に興味を持ったので、調べてみると、割と多くの自然毒があることがわかりました!
今回は「自然毒・天然毒素」について簡単にまとめてみたので、 興味があれば見ていってください。
(なお、現在判明しているもの全てを紹介するのは難しいため、私たちの身近にあるものを中心に紹介します)
目次
自然毒・天然毒素とは
本ブログで扱う「自然毒・天然毒素」とは、以下に示すようなものを言います。
(1) 動物や植物の生存過程で自ら生成して体内に保有する、人体に対する有毒物質
(2) または食物連鎖を通じて体内に取り込まれて蓄積された、人体に対する有毒物質
この「自然毒」に対する知識不足により誤食したことが原因で、毎年多数の食中毒が報告されています。
なお、本ブログで扱う「自然毒・天然毒素」は、人間が食べることで食中毒を引き起こす毒素だけでなく、
毒素を保有する生き物に噛まれたり(または、刺されたり)することで人体に健康被害を及ぼす毒素を含みます。
参考資料:厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
自然毒・天然毒素を持つ動植物
ジャガイモ
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生息地・生態 | 南米アンデス原産。 高さ50~100cmの多年草で、地下茎這う地下茎を食用としたもの。 |
危 険 部 位 | ・芽 ・光に当たって緑色になった変色部分 ・未熟で小さなジャガイモ |
危 険 成 分(毒 素) | ソラニン、チャコニン等 |
中 毒 症 状 | 嘔吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、耳鳴り、意識障害、けいれん、呼吸困難 |
発 症 時 期 | 食後30分から半日 |
毒の強さ | 芽:中 変色部分:中 未熟なジャガイモ:中 |
・ジャガイモの毒素は、加熱処理しても分解されません! 芽や緑色になった部分は絶対に食べないようにしましょう!
フグ
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生息地・生態 |
・フグの多くは沿岸性で、200m以浅の岩礁や砂泥底、サンゴ礁などに生息している。但し、フグの中には河川へ入り込む種類もいる。 ・敵を威嚇するために体を膨らませることがある。 ・フグ毒は、貝類やヒトデ等の海洋生物をフグが食べることにより、フグの体内に蓄積されているとみられる(食物連鎖によるもの)。 |
危 険 部 位 |
・一般的に、肝臓、血液、卵巣、皮の毒性が高い。 ・毒性の強さは、フグの種類および部位によって著しく異なる。そのため、フグの種類によって食用可能な部位が異なる。 |
危 険 成 分(毒 素) | テトロドトキシン |
中 毒 症 状 |
・麻痺症状が口唇や四肢、全身に広がって歩行が困難になる。 ・中毒症状が進むと、知覚麻痺や言語障害、呼吸困難となり、血圧降下が起こる ・重症の場合には、呼吸困難で死亡することがある。 |
発 症 時 期 | 食後20分~3時間で発症。 |
毒の強さ | 猛毒 |
・自然毒素・天然毒素と言えば、最初にフグを思い浮かべる人も多いくらいに有名ですよね。
・素人が絶対に調理してはいけない魚です!
・一匹丸ごと販売されていることはないでしょうが、釣り等で釣れた場合でも持ち帰らないようにしましょう!
ジギタリス
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生息地・生態 |
・西~南ヨーロッパ原産。 ・高さ1メートル前後まで成長し、分枝はしない。 ・観賞用あるいは薬用に世界中で栽培されており、日本には江戸時代に渡来し、観賞用に栽培されるが、一部は、野生化している。 |
危 険 部 位 | 葉っぱ |
危 険 成 分(毒 素) | 強心配糖体(ジギトキシン 、ギトキシンなど) |
中 毒 症 状 | 胃腸障害、嘔吐、下痢、不整脈、頭痛、めまい、 重症になると心臓機能が停止して死亡することがある。 |
発 症 時 期 | - |
毒の強さ | 茎、葉っぱ:猛毒 花:不明 |
・ムラサキ科のコンフリーと葉っぱが似ているため誤食されることが多く、死亡例もあります。
・なお、コンフリーは以前は食用とされてきたが、過剰に摂取すると肝障害を引き起こすことが分かり、厚生労働省から食べないよう注意勧告が出ています。
・ジギタリス以外に、鑑賞目的に栽培される スズラン や キョウチクトウ なども強心配糖体を含んでいるため、注意が必要です。
ホウズキ
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生息地・生態 |
・ナス科の多年草で、草丈は60cmから80cm位になる。 ・地下茎および根は酸漿根(さんしょうこん)という生薬名で呼ばれている。 ・平安時代から鎮静剤として利用されており、現在も咳や痰、解熱、冷え症などに効果があるとして、全草を干して煎じて飲む地方が存在する。 |
危 険 部 位 | 全草、根 |
危 険 成 分(毒 素) | 全草:微量のアルカロイド 根:ヒストニン |
中 毒 症 状 | 流産、腹痛 |
発 症 時 期 | - |
毒の強さ | 不明 |
・ホオズキの根の部分には、子宮の収縮作用があるヒストニンが含まれており、妊婦が服用した場合には流産の恐れがあります。(妊婦は絶対に飲まないでください!)
・江戸時代には、ホウズキの根の部分を堕胎剤として利用していたようです。
まとめ
いかがでしたか?
私たちの身近に存在する生き物のなかで、自然毒・天然毒素を持つ生き物って意外と多いんですよね。
正しい知識を持って身近に潜む危険を回避していきましょう!
自然毒・天然毒素は、これら以外にもあるので、今後も紹介していきたいと思います!
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