【漫画レビュー】『リウーを待ちながら』を読んだ感想【嵐の中で】

こんにちは!

 

 

今回、私が紹介したいのは漫画『リウーを待ちながら』です!

 

一巻が期間限定で無料だったときに読んだ後、すぐに3巻まで買い揃えてしまった漫画で、前々から紹介したいと思っていた作品です。

 

 

 

あらすじ

『リウーを待ちながら』とは、10万人に満たない日本の中都市で発生したアウトブレイク(感染症の爆発的な集団発生)を描いた医療サスペンス作品です。

 

 

自衛隊の駐屯地がある、人口10万人に満たない富士山麓の都市・横走市。

この横走市にある横走中央病院に勤務する医師・玉木 涼穂 の元に、ある日病院の前に倒れていた自衛隊員・滝原が運び込まれてくる。一時 心肺停止に陥ったが玉木の必死の救命により一命を取り留めることに成功する。

 

しかし、命は助かったものの予断をゆるさない危険な状態であった自衛隊員・滝原は、その夜のうちに一方的に自衛隊病院に引き取られてしまう。

危険な状態にある患者を一方的に引き取られたことに納得できない玉木は、自衛隊病院に滝原について電話で問い合わせますが、「そのような事はお答えできません」と一方的に電話を切られてしまう。

 

その直後、玉木とも面識のある病院スタッフが急死するとともに、自衛隊員・滝原と同じような症状の患者が急激に増え始め、横走中央病院は大量の患者で溢れかえる…。

 

 

 

自衛隊駐屯地と演習場がある横走市のモデルは、御殿場市だと思われます。

「リウー」というのはアルベール・カミュの小説に出てくる主人公の医師の名前からきていると考えられ、 作中でも登場人物がその本を読んでいます。

なお、その小説のタイトルで本作の原因がわかってしまうので、ここでは控えます。

 

『リウーを待ちながら』の見どころ

この漫画の見どころは、「アウトブレイク対策」「展開の早さ」です。

 

 

横走市の地域封鎖など、地方都市で感染症の集団発生が起こった際に、現代の日本ではどのような対策をして、これを封じ込めるのかを考えさせられる作品です。

医療取材が良くなされていて、大きな矛盾なども見当たらない良作だと思います。作中では医療用語が結構でてくるので、私のように医療関係者じゃない場合はネット検索 必須ですね。

 

 

 

全3巻でアウトブレイクの発生から終息までが描かれており、物語の展開も早いですが、作中での病原菌の広がりも恐ろしく早く、最初の患者がでてから数日で あっという間に爆発的に患者が増加していきます。

主人公である医師・玉木の奮闘むなしく、目の前で次々と患者が亡くなっていき、患者の死に対して後悔や悲しむ時間すらもなくなる様子に、アウトブレイクの恐ろしさが感じられます。

 

 

 

また、この作品では短い話数の中に、理不尽な伝染病に直面した人々の様子を随所に描かれています。職業や立場の貴賤なく無差別に人間を襲う病を前に、人々は一体どのような行動をとるのか…。

自身が罹患したことに絶望して死ぬ人、残された人の後悔や悲しみ、罹患しても誰にも看取られることなく死に逝く人など…。

 

ひとたび伝染病が蔓延した際、様々な立場の人々が何を思い、どんな行動をとるのかを垣間見させてくれます。

 

 

 

感想・総評(レビュー)

現代日本に伝染病が蔓延するといった内容の作品は昔から結構あり、オリジナリティ自体は低いですが、医療取材がしっかりされていてリアリティある作品だなと感じました。

 

 

とにかく、作中での話の展開が早く、伝染病を前に何もできず次々と亡くなっていく人々の様子、伝染病に対する人間の無力さ・無慈悲さが淡々と描かれており、伝染病が広まった際の恐ろしさを感じさせてくれます。

 

また、罹患した人や残された人の感情や行動などもリアルに描かれていて、考えさせられる作品ですね。

 

たった3巻ですが、アウトブレイク(感染症の集団発生)に関する様々な内容が上手くまとめられた良作です!

 

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