ハチミツが毒を持っている事もある!?身近に潜む中毒の危険を回避しよう【自然毒・天然毒素】

こんにちは!

 

突然ですが、皆さんは「自然毒・天然毒素」というものをご存じですか?

 

自然界に存在する動植物や細菌などは、人体にとって毒となる成分を持っていることがあります。

それを天然由来の「自然毒・天然毒素」と呼んだりするのですが、私たちの身近な動植物が保有していたり、食品などに含まれていたりします。

 

 

その「自然毒・天然毒素」ですが、「蜂蜜(ハチミツ)」にも含まれていることがあるということを皆さんは知っていますか?

 

今回は「ハチミツ」に含まれる自然毒について簡単にまとめてみたので、 興味があれば見ていってください。

 

 

前→ トマトやナスなどにも毒がある!?

次→ 銀杏やフキノトウにも毒がある!?

蜂蜜(はちみつ)とは

皆さんご存じとは思いますが、蜂蜜(ハチミツ)とは、ミツバチが花の蜜を採集し、巣に持ち帰って加工し、貯蔵したものを言います。

 

人類とハチミツとの関わりは古く、一万年前にはすでに人類による採蜜が始められており、「人類が初めて使用した甘味料」とも言われています。

 

 

なお、ミツバチが採集した花の蜜がハチミツであると思われがちですが、両者(花の蜜とハチミツ)の性質には違いがあります。

 

・まず、ハチミツは花の蜜よりも糖濃度が高くなっています。これは、ミツバチが花の蜜を巣に持ち帰った後で、水分を蒸発させることで、ハチミツの糖濃度が高まります。

 

・また、水分を蒸発させる過程で、ミツバチは口器官を使って花の蜜を膜状に引き伸ばします。このとき、ミツバチの唾液に含まれる酵素が蜜に混入し、それによって蜜の中にあるショ糖がブドウ糖と果糖に分解されます。

 

 

ハチミツの毒素成分

(1) ボツリヌス菌

ハチミツには、ボツリヌス菌の芽胞(休止状態で、極めて耐久性の高い細胞構造になった状態)が含まれている場合があります。

 

ボツリヌス菌は、土壌や水中などに芽胞の形で広く存在しています。ボツリヌス菌が作り出すボツリヌス毒素は極めて毒性が強いことで有名です。

また、ボツリヌス菌は非常に熱に強く、一般的な加熱方法による除去は困難です。

 

 

(2) グラヤノトキシン

主にツツジ科の植物などの有毒植物の花の蜜がハチミツに混入している場合には、ツツジ科の植物に含まれる「グラヤノトキシン」という毒性成分がハチミツに含まれる場合があります。

 

 

 

 

ボツリヌス菌による健康障害について

1歳未満の乳児が、ボツリヌス菌の芽胞(がほう)に汚染されたハチミツを食べた場合、ボツリヌス菌が腸内で繁殖して「乳児ボツリヌス症」になることがあります。

 

大人の場合、ボツリヌス菌が体内に入ったとしても、ボツリヌス菌が他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、問題にはなりません。しかし、1歳未満の乳児は腸内環境が未熟なため、ボツリヌス菌が増えて毒素を作りだすことがあります。

 

 

「乳児ボツリヌス症」を発症すると、便秘が数日間続き、全身の筋力低下、脱力状態、哺乳力の低下、泣き声が小さくなったり、首のすわりが悪くなったりします。また、特に顔面は無表情となります。ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、稀に亡くなることもあります。

生後1歳未満の乳児には、絶対にハチミツを与えないようにしてください!

 

ハチミツの中にボツリヌス菌のボツリヌス菌の芽胞が入っている理由は、ミツバチが採集してくる花の蜜にボツリヌス菌が混入している場合があるからです。

上述したように、ボツリヌス菌は土壌中など、どこにでも芽胞として存在しています。そのため、花の蜜の中にすでにボツリヌス菌が入り込んでいる場合があります。

 

 

但し、このボツリヌス菌の芽胞が、100%ハチミツに入っているというわけではなく、平均して数%程度の確率なのだとか。

それでも、万が一のことを考えて生後1歳未満の乳児には、ハチミツを与えないでください!

 

参考サイト: 厚生労働省 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。

 

 

グラヤノトキシンによる中毒症状について

・グラヤノトキシンが含まれたハチミツを食べると、吐き気、嘔吐、めまい、過剰発汗、脱力感、血圧低下、心拍の異常などの中毒症状を引き起こします。

 

・野生のハチミツを食べる習慣のあるトルコ黒海地方での発症が多く、「マッドハニー病」と呼ばれています。

 

なお、自生するトリカブトの蜜をミツバチが採集してできたハチミツもまた有毒です。この場合の有毒成分は、トリカブトに含まれるアルカロイド (アコニチン,メサコニチン,ヒパコニチンなど)です。

 

 

 

ハチミツの毒素まとめ

画 像
生息地・生態

・ミツバチが花の蜜を採集し、巣の中で加工され、貯蔵されたものである。本来はミツバチの食糧であるが、他の生物が採集して食糧にすることも多い。

・人類と蜂蜜との関わりは古く、古来から食料や薬用など様々な用途に用いられていた。

・人類が初めて使用した甘味料といわれており、古代エジプトでは主要な甘味料であった。

危 険 部 位
危 険 成 分(毒 素)

①(1歳未満の乳児の場合)ボツリヌス菌

②グラヤノトキシン(ロードトキシン)など

中 毒 症 状

①ボツリヌス菌:便秘、筋力低下、哺乳力低下、泣き声が小さくなる、首のすわりが悪くなる

②グラヤノトキシン:吐き気、嘔吐、めまい、脱力感、血圧低下、心拍の異常など

発 症 時 期
毒の強さ

①ボツリヌス菌:猛毒

②グラヤノトキシン:-

 

 

まとめ

いかがでしたか?

 

私たちの身近に存在する生き物のなかで、自然毒・天然毒素を持つ生き物って意外と多いんですよね。

正しい知識を持って身近に潜む危険を回避していきましょう!

 

 

自然毒・天然毒素は、これら以外にもあるので、今後も紹介していきたいと思います!

それでは!

 

前→ トマトやナスなどにも毒がある!?

次→ 銀杏やフキノトウにも毒がある!?

 

参考サイト: 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル

コメント

タイトルとURLをコピーしました